蚕を用いたタンパク質製造技術で医薬品・飼料添加物開発を行うKAICOは、シリーズBラウンドで第三者割当増資により5.4億円を調達した。
KAICO株式会社は、2025年4月15日、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社、東京センチュリー株式会社、アグリビジネス投資育成株式会社、株式会社DGインキュベーション、肥銀キャピタル株式会社、株式会社佐銀キャピタル＆コンサルティング、JMTCキャピタル合同会社の計7社を引受先とする第三者割当増資を実施し、シリーズBラウンドにおいて総額5.4億円の資金調達を実施したと発表した。これにより、累計エクイティ調達額は13.9億円となった（発表日：2025年4月15日）。
同社は、九州大学発のバイオベンチャーとして、蚕の体内で目的タンパク質を発現させる独自技術を活用し、医薬品・診断薬・試薬等の製造を行っている。今回の資金調達は、特に新製品であるブタ用飼料添加物『KAICO Powder』の量産・販売拡大を目的として実施されたもので、ベトナム農業農村開発省の認可を経て、同国での販売が開始されている。
KAICO Powderは、常温流通可能で飼料に混ぜて与えるだけで免疫サポートができ、従来の注射型ワクチンと比べ大幅な作業負担軽減が可能となる。今後は、アジア各国への展開や養殖魚・愛玩動物向け製品の開発、さらには蚕の調達体制整備を通じて、環境負荷低減や地球緑化にも貢献する方針を掲げている。
企業名：KAICO株式会社
住所：福岡県福岡市西区九大新町4-1 福岡市産学連携交流センター
URL：http://www.kaicoltd.jp
設立：2018年4月2日